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01.07.04

冷たい氷の音符バー

ラッパのプウ

ギターのボウ

ドラムのクウ

ベースのブウ

それからちいさな指揮者のスウ

みんなでペロペロ

音楽隊

01.06.28

角砂糖食べた

ねずみ

光りに迷いこんだ

カナブン

水色の帽子

ジャングルジム

01.07.06

1から6までの音符を組み合わせて

少年たちは

思い思いの歌を歌った

みっつめの歌が終わった時

狼の姿は

静かに消えていった

01.07.25

狼が消えていった

その先に

青い湖が見えた

その青さに

少年達は震えた

01.08.15

僕はこの湖がいいな

ひとりの少年がそう言うと

服をすべて脱ぎすてて

はだかになった

01.09.04

少年は静かに湖に向かった

湖は静かに迎えに来た

はじめに少年のつま先がぬれる

そして肌が透きとおり

湖と同じ色になった

01.09.10

ここがあの鉱石ラジオの

心臓だ

透きとおりながら少年は呟く

だけど先生

すべてはここから遥かに遠い

01.09.21

歌が聞こえる

-わたしの愛しいひと-

少年たちは耳を済ます

やがて

歌はおおきな手のひらになり

手のひらは白いボートになった

01.10.09

少年たちは

白いボートの中で同じ夢を見た

先生が笑っていた

ボートは音もなく進む

そして

向こうの岸には母さんが立っていた

01.10.12

母の姿はすぐに消えた

後には軍服の男たち

一列に並びボートを待つ

彼等は「銃を!」と叫んでいたが

やはり

向こう岸に母の姿を探していた

01.10.25

もう一度

湖の底深くから、歌がわき上がる

湖面を泡立たせ

一瞬、激しい声が空へ昇った

そしてすぐに

遠いサイレンとなってこだました

01.10.29

湖は

大きな満月の影だった

満月はあっという間に飛び去り

少年たちは

一瞬の眠りから目覚めた

01.11.09

湖は去り

鉱石ラジオを抱いた

はだかの少年がひとり

立ちすくむ

彼はまだ湖と同じ色

でも、振り返ると微笑んだ

01.11.29

鉛筆ロケット

君がどんな文字を書いたのか

今はもうわからない

けれども

ぼくたちには新しい言葉がある

01.12.06

軍服の男たちは

ちいさな狐になって

おもいおもいの方向へと

走り去る

踏まれた木の実が光の粒になって

舞い上がった

01.12.13

空では

7つの明るい星が

とっておきのラッパを鳴らした

もうすぐ

夜明けがやってくる

01.12.18

このクニでは

全ての生命が

夜明けとともに眠りにつく

けれども少年たちは

今はまだ目覚めていたいと思った

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